競艇のレース結果や選手データを見ていると、
「逃げ」
「差し」
「まくり」
「まくり差し」
といった言葉が出てきます。
これらは決まり手と呼ばれるものです。
競艇を始めたばかりの方は、
「逃げと差しは何が違うの?」
「まくり差しってどういう勝ち方?」
「決まり手は予想に使えるの?」
と疑問に感じるかもしれません。
決まり手を理解すると、
その選手がどのような勝ち方を得意としているのか
だけでなく、
そのコースからどんな展開になりやすいのか
も考えやすくなります。
BOAT LABでは、
コース × 決まり手 × 平均ST × モーター × 展示
というように複数のデータを組み合わせてレース展開を見ていきます。
この記事では、6種類の決まり手の意味と予想への使い方を初心者向けに解説します。
競艇の「決まり手」とは?
決まり手とは、
1着になった艇が、どのような形で勝ったのか
を表すものです。
BOAT RACE公式では、決まり手には次の6種類があると説明されています。
| 決まり手 | 主な意味 |
|---|---|
| 逃げ | 1コースが先頭を守って勝つ |
| 差し | 内側の艇のターン内側を差して勝つ |
| まくり | 外側から内側の艇を一気に攻めて勝つ |
| まくり差し | 外から攻めながら艇と艇の間を差して勝つ |
| 抜き | レース途中で先行艇を抜いて勝つ |
| 恵まれ | 他艇の失格などによって1着になる |
この中でも、予想で特によく見るのが、
逃げ・差し・まくり・まくり差し
の4種類です。
「逃げ」とは?
逃げは、主に1コースの艇が先頭を守って勝つ決まり手です。
イメージとしては、
スタート
↓
1コースが先行
↓
第1ターンマークを最内から先に回る
↓
そのまま先頭を守る
という形です。
一般的には「イン逃げ」と呼ばれることも多くあります。
1コースは最も内側を走るため、第1ターンマークを最短距離で回りやすく、逃げが基本的な勝ち方になります。
実際にBOAT RACE公式のコース別データを見ると、住之江では2026年5月1日〜7月31日の1コース勝利のうち、決まり手の95.8%が逃げでした。
逃げが決まりやすい条件
1号艇が逃げやすいかを見るときは、
- 1コース成績
- 平均ST
- モーター
- 展示タイム
- 外艇のスタート力
などを確認します。
たとえば、
1コース1着率が高い
+
平均STが速い
+
展示も良い
なら、イン逃げを評価しやすくなります。
一方で、
平均STが遅い
外にスタートの速い選手がいる
モーター気配が弱い
といった条件が重なると、逃げ以外の展開も考える必要があります。
「差し」とは?
差しは、先にターンする艇の内側を通って抜く勝ち方です。
特に2コースでよく見られる決まり手です。
たとえば1号艇が先に第1ターンマークを回ったとします。
そのとき1号艇のターンが少し外へ流れると、2号艇がその内側の空いたスペースへ入ります。
イメージは、
1号艇が先にターン
↓
1号艇が少し外へ流れる
↓
2号艇が内側へ入る
↓
ターン出口で前に出る
という形です。
これが「差し」です。
2コースでは差しが重要
2コースは1コースのすぐ外側にいるため、
1号艇をまくるより、内側を差す
という展開が多くなります。
たとえば住之江の2026年5〜7月データでは、2コースから勝ったケースの67.0%が差しでした。大村でも65.7%が差しとなっています。
つまり、2号艇を見るときは、
差して届く条件があるか
を見ることが重要です。
差しが決まりやすい条件
差しを考えるときは、
- 1号艇のターンが流れそうか
- 2号艇の出足が良いか
- 2号艇の差し実績
- モーター気配
- 展示でのターン後の押し
などを確認します。
特に「出足」が良い艇は、ターン後に前へ押す力があるため、差し展開では注目材料になります。
「まくり」とは?
まくりは、外側の艇が内側の艇より先に攻め、外から一気にかぶせるように回って勝つ決まり手です。
たとえば3号艇が非常に速いスタートを切った場合、
1号艇
2号艇
より先に第1ターンマークへ入り、そのまま外側からまとめて抜くことがあります。
これが「まくり」です。
イメージとしては、
3号艇がスタートで先行
↓
1・2号艇より前へ出る
↓
外から一気に旋回
↓
先頭へ
という形です。
まくりではスタートが重要
まくりを決めるためには、内側の艇よりも前へ出る必要があります。
そのため、
平均ST
や
展示ST
が重要になります。
たとえば、
1号艇 平均ST0.18
2号艇 平均ST0.17
3号艇 平均ST0.11
なら、3号艇がスタートから攻める展開を考えやすくなります。
さらに3号艇のモーターや展示タイムも良ければ、まくりへの評価を上げる材料になります。
3・4コースではまくりに注目
3コースや4コースは、まくりが発生しやすいコースです。
実際、常滑の2026年5〜7月データでは、4コースから勝ったときの59.4%がまくりでした。住之江でも4コース勝利の46.6%がまくりです。
そのため4号艇を見るときは、
カドからスタートして攻められるか
が重要なポイントになります。
「まくり差し」とは?
初心者の方が特に分かりにくいのが「まくり差し」です。
まくり差しとは、
まくりながら、艇と艇の間へ差し込んで勝つ決まり手
です。
完全に外を回る「まくり」と、内側へ入る「差し」の中間のようなイメージです。
たとえば5号艇が、
1号艇と2号艇の間
あるいは、
2号艇と3号艇の間
にできたスペースへ入って、一気に先頭へ出ることがあります。
これがまくり差しです。
まくりとまくり差しの違い
この2つは似ていますが、進む場所が違います。
| 決まり手 | イメージ |
|---|---|
| まくり | 内側の艇を外からまとめて抜く |
| まくり差し | 攻めながら艇と艇の間へ入る |
簡単に言えば、
まくり=外から
まくり差し=間を突く
と覚えると分かりやすいでしょう。
5・6コースではまくり差しが多い?
外側のコースでは、まくり差しが重要な決まり手になります。
たとえば大村の2026年5〜7月データでは、5コース勝利の68.8%、6コース勝利の61.5%がまくり差しでした。
住之江でも同期間に、5コース勝利の75.0%、6コース勝利の60.0%がまくり差しでした。
外コースは第1ターンマークまでの距離が不利なため、単純に外を回るだけでは届きにくく、
内側の艇が作った展開を利用して間へ入る
ことが重要になります。
「抜き」とは?
抜きとは、第1ターンマークで先頭になった艇ではなく、レース途中で他艇を抜いて1着になる決まり手です。
たとえば、
1周1マークでは1号艇が先頭
↓
2周目で2号艇が追いつく
↓
ターンや直線で2号艇が逆転
というケースです。
競艇では第1ターンマークで順位が大きく決まりやすいため、逃げ・差し・まくり・まくり差しほど頻繁ではありませんが、決まり手のひとつとして記録されます。
「恵まれ」とは?
恵まれは、先行していた艇が失格するなどして、結果的に1着となったケースです。
たとえば、
先頭艇が転覆
先頭艇が失格
などにより、後ろを走っていた艇が1着になる場合があります。
これは通常の攻めによる勝利とは性質が異なります。
そのため選手の得意な勝ち方を分析するときは、逃げ・差し・まくり・まくり差しと分けて考える方が分かりやすいでしょう。
コースと決まり手には関係がある
決まり手は、コースによって出やすい種類が変わります。
大まかなイメージは、
| コース | 注目しやすい決まり手 |
|---|---|
| 1コース | 逃げ |
| 2コース | 差し |
| 3コース | まくり・まくり差し |
| 4コース | まくり・まくり差し |
| 5コース | まくり差し |
| 6コース | まくり差し |
です。
ただし、これは絶対ではありません。
競艇場によっても傾向は変わります。
競艇場によって決まり手は変わる
各競艇場には水面特性があります。
そのため、
- イン逃げが多い場
- 2コース差しが決まりやすい場
- 3・4コースまくりが出やすい場
など、特徴に違いがあります。
BOAT RACE公式の競艇場データでも、各場ごとにコース別入着率&決まり手が公開されています。
たとえば2026年5〜7月のデータでは、常滑の4コース勝利に占めるまくりは59.4%なのに対し、大村では43.1%となっており、同じ4コースでも違いがあります。
この違いを予想に取り入れることができます。
決まり手率とは?
BOAT LABのようなデータ分析では、
そのコースからどの決まり手で勝つことが多いのか
を見ることがあります。
たとえば4コースで、
まくり 50%
差し 15%
まくり差し 25%
という傾向なら、
そのコースから勝つ場合は「まくり」が中心
と考えられます。
ただし、
まくり50%=4コースが50%の確率で勝つ
という意味ではありません。
これは非常に重要です。
あくまで、
4コースが1着になったレースの中で、どの勝ち方が多かったか
という割合です。
決まり手データを見るときの注意点
決まり手率だけを見て予想するのはおすすめできません。
たとえば4コースのまくり率が高くても、その日の4号艇が、
平均STが遅い
モーターが弱い
展示気配も悪い
のであれば、過去データ通りのまくりが起こるとは限りません。
反対に、
平均STが非常に速い
モーター上位
展示タイムも良い
という4号艇なら、まくりへの警戒度を上げることができます。
「誰が攻めるか」を考える
決まり手を予想に使うときは、
誰が1着になるか
だけでなく、
誰が攻めるのか
を見ることが重要です。
たとえば4号艇がまくりを仕掛けた場合、4号艇自身が勝つとは限りません。
4号艇が内側を攻めることで、
5号艇に差すスペースができる
ことがあります。
すると、
4号艇の攻め
↓
1・2・3号艇の隊形が崩れる
↓
5号艇がまくり差し
という展開も考えられます。
このように決まり手を理解すると、
展開の連鎖
まで予想できるようになります。
決まり手と平均STを組み合わせる
決まり手を見るときは、平均STとの組み合わせが重要です。
特に、
まくり
を考える場合はスタート力が大きく影響します。
たとえば4号艇が、
4コースまくり率が高い
+
平均ST0.11
+
展示STも良い
なら、攻める可能性を高く評価できます。
一方、
まくり率は高くても
平均ST0.20
なら、実際に内艇より先に攻められるか慎重に考える必要があります。
決まり手とモーターを組み合わせる
モーターも決まり手に影響します。
たとえば、
差し
出足やターン後の押しが重要。
まくり
伸びや行き足が重要。
まくり差し
スタート・伸び・ターン力など総合的な気配が重要。
というように見ることができます。
そのため、
決まり手 × モーター × 展示
をセットで考えると、より具体的な展開をイメージしやすくなります。
決まり手を見るときの5つのポイント
初心者の方は、まず次の5点を見ると分かりやすいです。
1. 何コースから走るか
コースによって出やすい決まり手が違います。
2. その選手の平均ST
特にまくりを考える場合はスタート力を確認します。
3. コース別成績
その選手がそのコースを得意としているか確認します。
4. モーター・展示
実際に攻められる機力があるか確認します。
5. 内外の選手関係
自分だけでなく、隣の艇がどのような走りをするかも重要です。
BOAT LABでは決まり手をどう見る?
BOAT LABでは、
決まり手だけで買い目を決めることはありません。
たとえば4号艇を見るなら、
4コースのまくり傾向
に加えて、
平均ST
モーター2連対率
展示タイム
選手の4コース成績
1〜3号艇のスタート力
などを確認します。
仮に、
4号艇のスタートが速い
+
モーター上位
+
4コースまくり傾向が強い
なら、
4号艇が攻める展開
を考えます。
そして、
4号艇自身の1着
だけではなく、
4号艇の攻めによって5号艇に展開が向く可能性
まで考えます。
コース × 決まり手 × 平均ST × モーター × 展示 × 相手関係
複数のデータから第1ターンマークの展開を組み立てることがBOAT LABの基本です。
まとめ
競艇の決まり手とは、
1着になった艇がどのような勝ち方をしたのか
を表すものです。
BOAT RACE公式では、決まり手は、
逃げ・差し・まくり・まくり差し・抜き・恵まれ
の6種類に分類されています。
初心者の方はまず、
1コース → 逃げ
2コース → 差し
3・4コース → まくり、まくり差し
5・6コース → まくり差し
という基本的なイメージを覚えると分かりやすいでしょう。
ただし、実際の決まり手傾向は競艇場や選手によって異なります。
そのため、
決まり手だけを見るのではなく、平均ST・モーター・展示・コース成績と組み合わせる
ことが重要です。
決まり手が分かるようになると、単に、
「何号艇が勝つか」
だけではなく、
「第1ターンマークで誰がどう攻めるのか」
まで考えられるようになります。
それがレース展開を読むための重要な一歩です。